2107年あけましておめでとうございます。
札幌はおだやかな新年を迎えています。
年末の大雪で、札幌市内はとんでもない道路事情になってしまいましたが、それもだいぶ改善されて、氷点下の気温ですがおだやかな元旦です。
さて、新年第1弾は窓のお話しです。
昨年10月末に「窓ガラスが割れたので、これを機会にサッシの不具合を直したい」とご相談がありました。
写真を拝見すると、外開き窓のハンドルを動かして開閉する窓金物がさびています。
それを修理することが仕事ではありますが、そもそもなぜこれほどひどくさびたのか。そこを突き止めないと、また同じことになってしまいます。
現地調査に向かい、わかったことは、上階ベランダの床にたまる水が壁を伝ってたれていること(本来は壁側に水がたれるのはNG、いわゆる逆こう配です)、もうひとつは高速道路の融雪剤・塩カルの影響です。
窓金物の交換、ガラス交換、網戸の交換:これをひとつずつ行うと、けっこうな金額になります。それなら窓を交換したほうが良いのではないか。
そこで、部材交換のお見積もり1と、サッシ交換のお見積もり2をお持ちして、ご説明しました。
こちらのお宅は1992年、いまから24年前の建物ですが、当時としては珍しい高気密住宅です。なので、家は暖かい。唯一寒いのが、問題の窓でした。
大きな窓、そして透明ペアガラスと言われる断熱性能の低いガラスだったのです。
ただし、透明ペアガラスは、当時としては普通のガラスです。
お客さまは「サッシ交換します」と即決。
工事は昨年の11月30日。朝8時からはじめて、予想外のハプニングもあったのですが、16時には無事サッシ交換が終了して、最新兵器・赤外線熱画像装置にてbefore/afterの撮影です。
この装置は赤外線を感知して、表面の温度を色の違いで写すカメラです。
目に見えない暖かさを「見える化」するのですね。スゴいぞ、科学の力!
ほかにもいろいろ写真はあるのですが、一番わかりやすい2点を掲載しました。
beforeガラス:透明12mm空気層ペア、熱貫流率(U値)2.9W
afterガラス:Low-Eガラス16mmアルゴンガス空気層、U値1.2W以下
倍以上の断熱性能です。
熱画像を見ると、beforeのガラス温度が18.6℃、afterが22.2℃。3.6℃の違いとなって現れました。この表面温度は窓表面温度の計算値とほぼ一致しています。
この日は朝から夕方まで1℃~マイナス1℃の外気温、before/afterともに気温はマイナス1℃、日射なしというほぼ同一条件でした。
12月になってからお客さまに様子をうかがいましたところ
「いままで窓に近づくと床がヒヤッとしたのが、まったくなくなりました。スゴイ効果です」と喜んでいただきました。
気密性能が高い住宅で、透明ペアガラスサッシが入っているお宅は、ガラスを変えるだけで暖かくなりますよ。
すきま風を感じるお宅は、気流止め工事といっしょに窓を変えると劇的に暖かくなります。
今年もあったかハウス河合建築事務所をよろしくお願いいたします。