窓から雨もり(ゆっくりたれる)

河合のリフォームノート20

築16年、2000年代後半のお宅は、スタイリッシュな金属サイディング。4年前にサイディングを塗装し、その際に窓まわりのコーキングの上から新しいコーキングを施しています。

窓枠が濡れてきた。水はどこから?

2023年10月に、雨が降ると1階の南面窓の上枠からゆっくりと雨が落ちてくると、お客さまから連絡がありました。「ぽたぽた」ではなくゆっくりと!

よく見ると窓上部から水がゆっくりたれてきているよう

冬に入る前だったことと、お客さまのご都合もあり、工事は今年・2024年4月に行いました。

※原因予想※

2階窓の上部とサイディングの接合部は切れてないよう

1階のサッシ真上(2階)に同じ幅のサッシが付いています。
見た目では、窓廻りのコーキングは切れていません。
たぶん、2階のサッシ廻りから雨水が入ったのだろうと予想

サイディングを解体してこれから調査・改修です

結果、やはりそうでした。
このあたりは、順に写真をご覧いただきたいと思います。

2階の窓上部。水に濡れた跡があります。ここらが進入口かと

2階窓の下部。銀色はタイベックシートを止めるテープで、そのまわりから雨が浸入しているかもしれません

タイベックをはがすと薄緑色の付加断熱材がでてきます。そのまわりの木材が変色しています。ここから水が室内に回ったと考えられます

薄緑の断熱をはがすと梁材とグラスウール断熱材が見えます

グラスウールをはがすとオレンジの防湿・気密シートとその下に窓枠が。そこが黒ずんでいます

梁の上部も水に濡れて黒ずんだ跡が

水はほんのちょっとの隙間からも浸入するので、外壁の下地に白い紙(樹脂製のタイベック防水シート)をはり、浸入した水を排出する仕組みができています。これを通気層と言います。

しかし、タイベックシートは継ぎ目や窓まわりで切れ目が生まれます。今回の場合は、サッシとタイベックの間を止水したつもりのテープが完全ではなく、そこから壁の中に入り、2階から1階に伝って室内に浸入したと考えられます。

※万が一、雨水が壁の中に入ったとしても、室内には絶対に入ってこない処置※

その方法も写真をご覧いただきたいと思います。

室内に水が浸入していた部位には、水返しとしてテープを貼り、通気層を伝って外に排出されるように

その上に新しいグラスウールを挿入

いったんタイベックシートを張り

付加断熱材も新しいものに変更(薄緑→薄青色)

そしてタイベックシートを張り、通気層の下地となる横の木材を張りました

その上にサイディング施工。水が入っても1階の窓に回らないように、排出口をとっています(指を入れている部分)

仕上げが終わりました

サッシとタイベックの間を止めるテープはすべてやり直しました。その上で、室内に浸入していた部位には、水返しとしてテープを貼り、通気層を伝って外に排出されるように工事しました。

工事途中、タイベックシートのままの状態のときに雨が降る日があって工事を2日間中断しましたたが、その状態でも雨は室内に入って来ませんでした。
お客様はちょっと心配だったようですが、ボクは自信を持って「大丈夫です」とご説明し、その通りに全く雨は入りませんでした。その後サイディングを施工しました。

サイディングカラーはお客さまのご希望でホワイトになりました。