長期優良住宅(札幌)の雨もり 河合のリフォームノート9

11月に入り、札幌は寒くなってきましたね。外壁のリフォーム工事は雪が降ると非常にやりにくいので、12月までが勝負。このところずっと天気予報とにらめっこする河合です。

雨もりした室内の様子(カーテンレールの下にぬれた跡がある

今回ご紹介するのは長期優良住宅の雨もりです。

ボク自身もお客さまからお問い合わせいただいたときは驚いたのですが、こちらのお宅は長期優良住宅の認定を受けている上に、外壁が普通の家の2倍となる210mm断熱なのです。

コーキングの切れ発見!

● 症状 ●

1階・食堂の窓上から、雨が降った後ときどきポタンと水が落ちてくる。

風のある雨の日だけ雨もりする。それ以外は出てこない。

 

けっこう謎めかしい雨もりです。

くぎがぬれて黒ずみが出ているのは、水に濡れた証拠

● 調査 ●

雨もりする窓の上にある2階・寝室窓まわりが疑われた。

サイディングとサイディングをつなぐコーキングが、2階窓上で切れているのを発見。ここから水が回ったものと推測される。

胴縁を止めるくぎがさびている

● 所見 ●

ただし、サイディングをつなぐコーキングが切れただけでは雨もりはしません。雨水がコーキングの切れ目から壁の中に浸入しても、そこには通気層があって透湿・防水シートが張られており、建物内部への雨水の浸入を防いでいるからです。きっと壁の中に問題があるはず。

なので、切れたコーキングをふさぐだけでは再び雨もりを起こす危険性があります。

2 階窓下の横胴縁を止めていた釘を抜いて、材の裏側を見た様子。胴縁の裏側に水が浸入している

● 工事 ●

このお宅は10年瑕疵保証の期間でしたので、お客さまにとって費用負担の心配はありませんでした。

サイディング壁をはがし、通気層が現れました。そうすると、雨水が浸入した痕跡が見つかったのです。これからは、実際の雨もりがどうやっておきたのか、それを雨水浸入経路に従って確認する作業になります。

ざっくり説明すると、

コーキングの切れ目→通気胴縁材→透湿・防水シートを貫通するくぎ穴から壁内へ→断熱下地材→横下地材のつなぎ目から窓枠へ

という水の流れでした。

 

工事は雨水の浸入経路に透湿・防水シートや防水テープで防水措置を施し、断熱材を再充てんし、透湿・防水シート等も再施工して、サイディングを1面貼り替えて終了しました。

防水補修工事を終えて断熱材を再施工

● 教訓 ●

長期優良住宅といえども、特別に雨もりしにくい施工をしているわけではありません。今回の雨もりはいくつかの不運が重なった面もありましたが、普通に雨もりがおきるのです。雨もりがおきたら、なるべく早めに連絡をください。被害の拡大を防ぐうえでも早めの処置が望まれます。