河合のリフォームノート11
この冬の札幌の天気は、寒波のあとに春のような暖かさ、そして吹雪、そのあと雨。
寒さと暖気が繰り返す今年のような現象が、地球温暖化の特徴だそうです。
さて、今回ご紹介するのは、窓からの雨もりです。
最近の札幌の新築住宅で定番になっている外壁ダブル断熱のおうち。
症状
1階窓より時々水滴が落ちる、風のついた雨の時だけのようだ。
建築10年を迎える2か月前に連絡があった。
建ててから10年を迎える直前、というのが重要です。
調査
この住宅は新築時に瑕疵(かし)保険と呼ばれる保険に加入しています。瑕疵保証とも言います。雨もりなどがあった場合、無償で直してくれる保険です。その保険期間が家を建てて10年!!
河合に連絡いただいたのが、10年を迎える2ヵ月前という本当にギリギリのタイミングでした。
お宅に伺い雨もりする窓の外側を見て、ある程度原因の予測が立ったので、工事にかかりました。
所見
解体前に外壁に足場をかけ、外部漏れ箇所を確認しました。雨もりした居間の窓の上にある2階洋室から下を見ると、外壁サイディング同士をつなぐコーキング目地部分が切れています。ここから水が浸入したと考えられます。
工事
ギリギリ10年瑕疵保証の期間でしたので、お客さまにとって費用負担の心配はありませんでした。
サイディング壁をはがし、通気層が現れました。そうすると、雨もりした窓の上部の木材が濡れていました。浸入経路はここですね。
木材を撤去し、透湿・防水シートのタイベックをめくって、室内への雨水浸入経路を探します。
窓の取り付け部を確認すると、くぎやビスで下地の木材に止めつけられているはずの窓が、少し浮いていました(3mm)。
雨の浸入原因:
- サイディング同士を接着するコーキング部分が切れて、壁に吹き付ける雨が降ったときに雨が壁の中に浸入
- 浸入した雨は通気層のなかを下に流れて雨もりした窓の上部に達する
- 止水のための防水テープが止め付け不良で口が開き、そこから窓の取り付け部に雨が到達
- 取り付け部の木材と窓の隙間から雨が室内に浸入
- 室内の窓上部、クロスとの継ぎ目から雨が入りこむ
開き部分の上部から雨もりした
浮いていた窓を下地の木材にしっかり止め付け、その上から防水テープ貼り。
水が回って腐りかけていた窓下部の下地木材を部分交換。
その他の部位に雨もりの痕跡や腐れがないか確認した(そのほかは問題なかった)
現状復旧
教訓
現在、新築住宅には必ず瑕疵(かし)保険がついています。
https://www.kashihoken.or.jp/kashihoken/
ただし、その保険期間は10年です。
「暴風雨の日に雨もりするけどしょうがないのかな」
「雪解け水が天井からたれてくるのは雨もりじゃないのかな」
そんな不安がある方は、まずは建ててくれた住宅メーカー・工務店に相談して下さい。
万が一、建てた会社がなくなっている、または建てた会社に連絡できない場合は、新築の際の引き渡し資料にあるはずの保険会社に連絡してみて下さい。