部屋の広さに配慮しながら壁を断熱強化(中古住宅リノベーション・レポート6)

前回に続き、断熱改修の様子をご紹介します。今回は壁と浴室編です。

施主のFさまの一番のご要望は「暖かく快適に暮らせる家」。丁寧な施工はもちろんですが、室内環境にも配慮しながら作業を行いました。

今回選んだ断熱材は、床工事と同じく「スタイロフォーム」とグラスウールの2種類です。

まずは、板状断熱材のスタイロフォーム20mm厚を施工します。写真の水色に見える部分がスタイロフォームです。

断熱材は厚くなればなるほど、断熱性能が高くなります。ですが、室内側の断熱を厚くすると、部屋が狭くなってしまいます。この後に施工するグラスウールの厚みを考え、薄くても性能の高い高性能タイプのスタイロフォームを使いました。

次に、高性能グラスウール100mmを充填します。Fさま邸の柱の厚さは100mm。先ほどのスタイロフォームを合わせると壁の断熱材の厚さが120mmになり、新築の省エネルギー基準をクリアする断熱性能になりました。

壁の断熱強化をおこなった結果、外周部分の壁が20mm(2cm)だけ室内側に出っぱることになります。

部屋が狭くなる範囲をできるだけ抑えつつ十分な断熱効果が得られるよう、「部屋の広さ」と「断熱性能」のバランスを考えながらの工事となりました。

2階も、1階と同じ手順で断熱改修を行いました。

 

気密工事はこのあとになります。

続いて、こちらは浴室の作業の様子です。浴室の床下部分は、ユニットバスの組み立てを行う前、先に断熱改修を行っておきます。スタイロフォームを敷き、上から防湿用のポリエチレンフィルムを貼りました。

その上から、グラスウール300mmを敷きます。最近は、「お湯が冷めにくい浴槽」や「足がヒヤッとしない浴室床」など、さまざまな商品が登場しています。ですが、浴室そのものを断熱しておかなければ、洗い場は寒いまま。せっかく良い商品を入れても効果を発揮できません。

無事に浴室の床下断熱改修が終了。この後、洗い場の造作やユニットバスの組み立て作業を行いました。